代理人記録
学生時代、電車通学で乗り換えの為に毎日通っていた梅田の地下街の一角に、その前を何時通っても行列が出来ているカウンター席が6席ぐらいしか無い小さなカレー屋さん『ピッコロ』があった。しかも当時でカレーのお値段が1000円ぐらいもする、日頃学食で200円程度のカレーしか食べた事が無い貧乏な私には夢の様な、あるいは高値の花の様な存在のカレー屋さんだった。
が、社会人になって大阪に住み始めた頃、懐具合もちょっとリッチになったので大阪の有名なカレー屋さん巡りをしたのだが、その時に真っ先に食べに行ったカレー屋さんの一店が、その梅田地下街にあったカレー屋さん『ピッコロ』なのだった。未だ食べ歩きをし始めた初々しい頃?だったので、ちょっとした緊張感と、初めてみる1000円もするカレーへの驚きとで、はっきり言ってじっくりとカレーを味わう様な空気では無かった様な記憶がある・・・。
そんな、梅田界隈で超有名なカレーショップ『ピッコロ』なのだが、今では大阪市内各所に支店を出していて、しかも値段もお手頃になったカレーも出している様なのだが、先にも書いた様に個人的には『ピッコロ』と言えば梅田地下センター街のお店以外で食べるのは邪道!と言う思いがあり、大阪在住の頃も、あるいは仕事で大阪を訪れる様になった今も、あの日以来『ピッコロ』に入る事は無かったのであった・・・。
ところが、遂先日、久々に大阪へ行った日の帰り、JR大阪駅構内を歩いていると、その一角に『ピッコロ/JR大阪駅店』を発見!!!先にも書いた様に『ピッコロ』に行くならば梅地下にある本店しか無い!と思ってはいた物の、その『JR大阪駅店』を見ると店内は広くてゆったりしている。しかも未だ出来て間が無い様でお店自体も綺麗だし・・・。って事で、こうなったら、もう何十年か食べていない”ピッコロのカレー”の味を確かめずには居られ無い!と言う気分になったので、ちょこっと寄ってみた。
![ピッコロ/JR大阪駅店 ピッコロ/JR大阪駅店](https://yanogawa.wordpress.com/wp-content/uploads/2012/06/jr11.jpg?w=320&h=240)
こちらが今回行った『ピッコロ/JR大阪駅店』で、公式サイトの情報に寄ると、今年の3月にオープンしたばかりの比較的新しいお店との事。先にも書いた様に『ピッコロ』は梅地下にある本店の他に、全部で7店舗程あるらしい・・・。でも確か以前は京橋の方に『ピッコロジュニア』とか言う、ちょっと格を下げた様なお店もあった様な気がするのだが・・・、公式サイトには載って無いから、無くなったのかな?それとも、そもそもカレーの味が違う様なので、別扱いしているのかも・・・。
![ピッコロ/JR大阪駅店 ピッコロ/JR大阪駅店](https://yanogawa.wordpress.com/wp-content/uploads/2012/06/jr21.jpg?w=320&h=240)
それは兎も角、こちらが『ピッコロ/JR大阪駅店』の店内で、所謂、梅田地下街にある『ピッコロ本店』の狭いお店(ちなみに本店も一度改装されて、ちょっと小奇麗になっている)とは違い、物凄く広々とした店内で、しかもカウンター席の他にテーブル席も数多く用意されていて、ゆったりと食事が出来そう。何より、上で書いた様に、未だこの『JR大阪駅店』が出来てから間も無い様で、ちょっとお洒落で綺麗で清潔感もあって中々居心地は良い。
で、話は前後するのだが、『ピッコロ/JR大阪駅店』の入口の処にはこの様な幟が掲げてあり、それには”ピッコロの人気メニュー”として一番上に”スタンダード ビーフカレー”が載っていて、値段を見ると650円との事・・・。最初はこの一番安いカレーでもエエかな?と思いつつ、お店に入ってみたのだが・・・。
そしてこちらは店内に置いてあったメニューに書いてあった”ピッコロカリー”の紹介文で、これを読むと、お店が誕生してからもう半世紀経つらしい。ま、私が初めてこのお店の存在を知ってからでも、既に30数年経つのだから、そんなもんかも・・・。それにしても、何時の間にやら”ハヤシライス”もメニューの中にあるのね・・・。
それは兎も角として、上でも書いた様に、入店する前は一番値段の安い”スタンダード ビーフカレー”を食べ様かな?と思っていたのだが、メニューを見ると”梅田ピッコロ本店の味”と題された”スペシャルビーフカリー”なる物がある。本当に”本店の味と同じカレー”が出て来るのかは定かでは無いが『ピッコロ』に来て、あの伝説の?梅田地下街のカレーを食べ無いと意味が無い!って事で、この時は時間が中途半端だった事もあり、量少な目の”スペシャルビーフカレーミニサイズ”を食べる事に決定!!!
間も無くして運ばれて来たのが、こちらの”スペシャルビーフカレーミニサイズ”で、お値段は780円也。ノーマル版はライス260g、ルー260gらしいのだが、このミニサイズはライスが200gで、ルーも200gとの事。全体で120gの差しか無いはずだが、何か豪く少ない様に見えるのは気の精かな?。で、その肝心のお味であるが、これが意外と濃厚こってりで粘り気たっぷりのカレーだ。あらためてメニューの説明書きを読むと”長時間煮込んだ梅田ピッコロの濃厚な味”との事。
私が以前に『ピッコロ本店』で食べたのは30年程前の事なので、はっきり言って、一体どんなカレーだったか記憶は無いのだが、はっきり言ってこんなカレーだったけ?と言うのが正直な印象。まあ、あの頃は若かったし、未だお店廻りにも慣れて無かったので、緊張感もあって、味を覚えていられる程の状況では無かった様な気はするが、何かちょっとイメージしていたカレーとは違うのよね。このカレーであれば、私のお気に入りの”梨花食堂のカレー”とか、大阪市内随所にある”得正上等カレー”や”インディアンカレー”の方が遥かに美味しい様な気がする・・・。てか、私には庶民的な味のカレーの方が口に合ってる?って事なのかも知れないが・・・。
ちなみにこちらは”スペシャルビーフカレーミニサイズ”にトッピングされていた、ビーフ・・・、と言うか”すじ肉”の塊で、流石にミニサイズでも780円もする事もあり、これぐらいの塊が2、3個入っていて、食べ応えも十分で中々美味しい。こってりしたカレールーにも負けないくらいの存在感たっぷりな、すじ肉だったかな。
![ピッコロ/JR大阪駅店のカレーの付け合せ ピッコロ/JR大阪駅店のカレーの付け合せ](https://yanogawa.wordpress.com/wp-content/uploads/2012/06/jr-41.jpg?w=320&h=240)
そしてこちらはテーブルの上に置いてあった2種類の薬味で、その中身は定番の”福神漬”と”らっきょう”だ。私の30年近い前の記憶では『ピッコロ本店』では確か、キャベツを使ったピクルスを筆頭に何種類かのピクルスが、個別に出て来た様な気がしてたのだが、それは他のお店と勘違いだったのかな?何せ30年前にはカレーに”福神漬”や”らっきょう”以外の物が付いて来る事自体が初めてだったので、ちょっとした衝撃を受けた覚えがあったのだが・・・。
てな事で、JR大阪駅構内に新しいお店が誕生していたので、約30年ぶりに”ピッコロのカレー”を食べたのだが、何か私の思い出の味とは違っていた様な印象。もしかすると30年前に食べた時と同じ味だったのかも知れないが、記憶の中ではどんどんと美化?されて行ったのかも知れない・・・。あるいは、この30年の間に様々な味のカレーを食べて来たって事もあり、評価の基準も大分変わってしまったのかなあ・・・。ま、確かに30年前と言えば、カレーと言えば、家のカレーか学食のカレーぐらいしか食べた事が無い様な時代だったもんなあ・・・。