義史のB型ワールド

2007年12月1日

元祖映画の日ってことで、桑畑三十郎、もとい、椿三十郎を観て来た。

Filed under: 趣味 — 代理人 @ 10:25 PM
 
代理人記録
 
私の大好きな映画監督のヒッチコック作品に、これまた超有名な「サイコ」と言う映画がある。映画上映開始後の途中入場を一切禁止した初の映画と言うことでも有名。あっと驚くラストのどんでん返しも、まさにヒッチコックならではの映画だった。その「サイコ」を完全リメイクした映画がある。タイトルは当然「サイコ」。このリメイク版「サイコ」は、登場する役者こそ違えぞ、各シーン、カット割り、セリフに音楽、挙句は主人公の乗る車のナンバープレートまで、完全にオリジナルと同じ。それはそれで凄かった。しかし、ストーリーからセリフ、シーンまで完全に同じ内容・・・、ってことで、このリメイク版にはオリジナリティが全く無くて存在価値が薄い。オリジナル版「サイコ」と言えば、役がそのまま俳優のイメージになってしまった主人公を演じたアンソニー・パーキンスを抜きにしては語れないのだが、リメイク版の主人公はそれほどの存在感も無かった。結局、リメイク版「サイコ」は映画を撮った監督のマスターベーション、そしてその映画を劇場まで足を運んで観た一部のヒッチコックマニア(私も映画館まで観に行ったのだが・・・)だけが楽しんだ映画だったと言える。
 
で、今日は映画の日と言うことで、織田裕二主演の「椿三十郎」を観て来た。ご存知、日本を代表する今は亡き巨匠・黒澤明監督の名作「椿三十郎」のリメイク作品である。「椿三十郎」と言えば、同じ主人公が活躍する「用心棒」の続編(ストーリー的には完全に別個の物だが)的作品なので、行き成り、一作目を無視して、続編をリメイクした格好になる。森田芳光監督が、ストーリー的に「用心棒」より「椿三十郎」の方が現在にマッチしている?と言うことから「椿三十郎」を選んだのだと思うが、黒澤明ファンの私としては、やはり順番通り、「用心棒」をリメイクしてから、「椿三十郎」をリメイクして欲しかったかな。ちなみに「用心棒」の主人公の名は「桑畑三十郎」。彼が名前を尋ねられた時、目に入ったのが「桑畑」だったので、自分の歳も絡めて「桑畑三十郎」と名乗ったのだった。で、「椿三十郎」でも同様に「椿」を観て「椿三十郎」と名乗る。「もう直ぐ、四十郎だが・・・」と続くセリフも「用心棒」の「桑畑三十郎」があってこそ、意味のあるセリフだと思うのだが・・・。(椿->桑畑、三十郎->四十郎てな具合。)
 
で、映画自体は・・・、織田裕二がTVの番宣で言ってるように、基本的にオリジナルの脚本のまま。その為、黒澤版「椿三十郎」をストーリーが頭にこびり付く程、観た私には、先の読める展開なので、ストーリーを楽しむと言う面白みが無い。脇役等の笑わせ処も、基本的にオリジナルと同じ。こんなシーンあったなあ・・・、と、懐かしみながら観るだけ。当然、主役の織田裕二の姿も、どうしても三船敏郎を比べてしまう。織田版の椿三十郎も悪くは無いのだが、セリフはどう聞いても三船キャラに合うように用意されたであろう、内容、語り口調なので、やっぱ織田裕二では違和感が残る。この辺り、三船版(オリジナル椿三十郎)を観て居なければ、どう感じたかは判らないが。
 
それに反し、敵役の豊川悦司は中々良かった。ニヒルな剣客と言う役どころはある意味、はまり役にも見えた。と言うか、私は黒澤版の敵役・仲代達矢があまり好きじゃ無い。と言うか、おまえ、「用心棒」の時も、主人公の三十郎と戦ってたやんけえ、で、死んだんとちゃうんかい!何でまた出て来てんねん!!!と思って観てしまったから。(キャラ的には全然違うかったのだが、それは映画的に同じに見えたら困るので、無理矢理違うようなメーキャップにしたような印象がある。黒澤明監督には珍しいミスキャストでは無いかな。まあ、仲代達矢と言えば、後に「影武者」と言う最大のミスキャストがあるのだが、あれは勝新太郎の問題もあったのでいた仕方無い事だが・・・)
 
そう言うわけで、関心は如何にオリジナルを再現しているか?と言う点に移るのだが、黒澤明版「椿三十郎」と言えば世界の映画史にも残る超話題のラストシーン。織田裕二がTVで語っているようにオリジナルのままだとR指定が付いてしまうので、そこは森田監督が考えました・・・、ってことで、ラストシーンは・・・、なのだが、その為に、「椿三十郎」最大の見所が、無くなってしまったのでは無いのか?と思ってしまった。いっそ、「用心棒」をリメイクして、ラストは「荒野の用心棒」のラストを逆輸入してリメイクして欲しかったな。そう、敵の撃つ鉄砲を受けた、三十郎が倒れる・・・、が、直ぐにすくっと起き上がって、胸元を開くと鉄板が入っている・・・、と言うあの、クリント・イーストウッドの名ラストシーンを逆パクリで再現して欲しいと思うのであった。
 
ちなみに「用心棒」の全米公開時のタイトルは英語で「ボディ・ガード」。後にケビン・コスナー主演の映画「ボディ・ガード」の最初のシーンで、ケビン・コスナーが何度も観ているのが、黒澤明監督の「用心棒」なのであった。後、「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で、未来のビフがTVで観ているのは「荒野の用心棒」のラストの決闘シーン。アメリカ人は黒澤の「用心棒」が結構好きみたいね。
 
てなことで、リメイク版織田裕二主演の「椿三十郎」を観て来たが、リメイクしたのが成功だったかどうかは微妙。今年はTVで「天国と地獄」、「生きる」がドラマ化されて放送されていたが、「天国と地獄」は、まずまずの出来だったけど「生きる」は最悪。まあ、松本幸四郎を主役に据えたってのが、最大の失敗だったような。リメイク版の「椿三十郎」も、映画では無くTVドラマ化でも良かったのでは・・・、と思ってしまうのだった。
 
最後に・・・、公開初日の土曜日でしかも1,000円均一の映画の日(12月1日は元祖映画の日だ!)にも関わらず「椿三十郎」は、どちらかと言うとガラガラだった。(午後3時半上映回だからか?)織田裕二の映画は、スポンサーがフジテレビの時は派手に宣伝するけど、今回はテレビ朝日系と言うことで、ちょっと宣伝が地味なような気がする。それが観客の入りに影響しているのか、どうかは判らないが、今夜、これから朝日放送で、織田裕二版「椿三十郎」の特番が放送されるのであった・・・。

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